【土曜日】
元夫に離婚を切り出してからちょうど1週間
私が取ってきた長男の印鑑証明
長男(サインするために帰省)と長男の実印
それが、元夫が新しいマンションに入居するに当たっての
「保証人」として必要な書類一式です。
お昼前、元夫は契約書を持って
我が家にやってきました。
明らかにやつれているな、とは思いました。
ところどころ剃り残したのか無精ひげが目立ち、
もともとスリムな体形だったので
更に頬がこけ「貧相」な様相を呈していました。
離婚を切り出すと決めた日から
私が最悪のシナリオとして頭の中に思い描いていたのは
「ああ!俺も離婚したかったんだ!そもそもお前のことは
好きでもなんでもなかったんだ、結婚当初からずっと、彼女(お相手)とは
繋がっていたんだ、別れられて清々するぜ」
と言われるストーリーでした。
離婚はできるかもしれないけれど
女として、人間として、そう言われたらもう立ち直れないだろうな、と思っていました。
自分の人生のうち一番いい期間の26年間を
ドブに捨てた、と言われるようなものだと思っていました。
そこまでではないにしても
元夫が「嬉々として」離婚を受け入れる可能性を考えていた私にとって
彼のやつれっぷりは
本当に、心底「救われる」気がしました。
元夫は「離婚したいわけではなかった」というのが
目に見えて分かり
「ザマーミロ」という気持ちよりも
「自分が惨めにならなくて済んだ」という安堵感だったのかもしれません。
長男に保証人の署名、捺印、割印をもらい、
不動産屋さんに一旦戻り、
入居に合わせて購入したであろう家電の搬入に立ち会い
ガスの開栓に立ち会い
…
その間に何度か我が家に戻り
荷物をまとめ、運び出し…
(だから出たり入ったり、していました。立ち会うこっちが身動き取れない感じ)
そう、元夫が借りたマンションは
我が家から1.5キロ、車で5分の場所でした。
(近っ!)
荷物の取りまとめと
捨てるべきもの、処分するもの(かなりの紙媒体のものを破り捨てていました)
ある程度仕分けが終わり、
新しく借りたマンションへの往復も何度か済ませ
「ちょっと、いいかな。話がしたい」
と言われたのは夕方16時頃だったと思います。
元夫はただただ
「やりなおしたい」
私の答えはただただ
「無理です」
という無限ループのやりとりでした。
一生別居でもいい、離婚したくないと言われ、
そんなの離婚しても一緒じゃないのと答えると
「家族で、居たい」と言いました。
申し訳ないけど、私は「家族で、いたくない、の。」
「本当に申し訳なかった。自分で自分が許せない。
自分を殺してしまいたい」というようなことを言ったので
「今、死なれたら迷惑だから、止めて。
あなたの妻として喪主をさせられるなんて、まっぴらです。
逆も、そうです。わたしは〇〇〇〇(元夫の氏名)の妻、として死にたくないの。
最低の男の妻として死にたくないの。他人になって死にたいの。
お願いだから、他人にしてください。サインをしてください。」
と、かなり感情的に言ったと思います。
観念したのか
元夫が
離婚に当たっての条件を聞きたい、と言い出しました。
ここにきてやっと
A弁護士さんにあらかじめ作成してもらっていた「離婚同意書」を
元夫の前に広げました。
甲だの乙だので始まり
いくつかの項目に分かれている書面は
主なものとしては
(離婚)
(有責性)
(財産分与)
(自宅からの退去)
(慰謝料)
(生命保険)
(年金分割)
について記載されていました。
財産分与の中で
実は元夫は知らなかったけれど
私の父が元夫の名義にしていた土地の存在が明らかになりました。
テンパってるはずなのに
目ざとく見つけた元夫は
「家は分かるけど…この土地についての記載は何?」
「父が、随分前に好意で土地の一部を家族全員の(長男・次男も含む)名義にしてくれたみたい。
今回、こんなことになってしまったので、貴方の分を子供たちの名義に変えてほしいそうです」
「…そんなことまでしてくれていたのか…」
慰謝料については
当初は
A弁護士が相場(のMAX額)として提示した500万を記していたのですが
そこがネックになって離婚に合意しないと困る、ということで
最終稿では、具体的な金額を入れず
「金額については協議する」の一文に留めていました。
しかし「金額の明記がない」ということが
逆に元夫の不安を大きくしたようで
「ここのところが気になる…」と言い続けるので
「じゃあこうしましょう。
向こうの女性に慰謝料を請求するに当たって協力してくれるなら、
あなたには一切、慰謝料は請求しない。
相手の会社と自宅の住所を言いなさい。ご主人の連絡先も」
旦那さんの連絡先だけは勘弁してくれ、と
そんなこと自分からは聞けないし、
相手の旦那さんにバレたら、自分も慰謝料を請求される…
「そんなことは知りません」と言いましたが
元夫がこれ以上金銭的に追い込まれて
マンションの保証人になっている息子に迷惑がかかるようなことになってはいけないと思い
「相手女性が今住んでいる自宅の住所を教える」
というとこで手打ちになりました。
住所は知らない、と言うので
「今、電話して聞いてください」と言いましたが
相手女性は仕事中とのことで、後日、ということになりました。
私としては、(元夫には内緒だけど)
「興信所で調べたような」「確実に裁判で勝てる」「完璧な証拠」を
持っているわけではないので
結局「元夫の自白」が一番「肝」だと思っていましたから
「慰謝料請求の協力、というのは彼女の住所を提出するだけじゃなく
請求に当たっての不貞の裏付けを話してもらうこともあると思うけど
隠し立てしたりしないで、全部話してくださいね。」と念も押しておきました。
元夫は
自分が(私からの)慰謝料請求から逃れられる、ということで
頭がいっぱいだったのでしょう
その条件を飲みました。
(事実、次の日には、ホイホイと女性の住所を私に提出してきたので
「コイツ、自分のために速攻で不倫相手を売ったな…」とその薄情ぶりに驚きました)
ちなみに、この時点では相手女性に慰謝料を請求することについては
それほど積極的に考えていませんでした。
とにかく
相手女性が「大変なことになった」と思ってくれればよい、
恐怖に慄け、と思っていたので
敢えて「慰謝料」という単語を出しました。
同意書については
慰謝料の点で上記のようなやり取りがあり、
あとは、私から
預貯金は全部お渡しします、と言い
(書面上は預貯金はすべて折半、と書いてあったのですが
私も、ここで判をついてもらおう!という勢いもあり、
全部持ってけドロボー!くらいの勢いで、どうぞどうぞと言いました)
条件的には元夫も
とりあえずは、納得したように感じました。
それでも、
「考え直してくれないか」と何度も何度も言われたので
「とにかく、今は他人になって欲しい」
「そんなに何年かかっても、と言うのなら、
貴方が悔い改めてくれて、その態度を見て
私がいつの日かそういう気持ちになれば
復縁、すればいいじゃないの、そのときに。
そうしましょう、もし時間が経って、私の気持ちが変わるというのなら
その時に復縁しましょう、そうしましょう。」
と確かやけくそのように、少し茶化すように
絶対有り得ないけど、というニュアンスで言ったのを覚えています。
長い長い沈黙のあと
元夫が観念したように
離婚届に署名、捺印をしたのは
18時を回ったころでした。
離婚を切り出した日から
ジャスト1週間
私は念願の「離婚」をほぼ手中に収めました。
(とりあえず、まだ役所に提出するまでは、ね。「確定」ではないので
この表現にしておきます)
「もしや、不貞を認めないのでは」
「もしや、離婚しないと言い張るのでは」
「もしや、調停だの裁判だのになるのでは」
と危惧していたことから考えると
覚悟してたよりは
随分早く、ゴールにたどり着けた、と
その瞬間は
ほんとうに嬉しかったことを、覚えています。